生湿なまじめ)” の例文
旧字:生濕
持っていて、それに生湿なまじめりの土が付いていたから、金杉の竹松親分に縛られたのも無理はない。あの人は道楽がひどいから、五両とまとまった金を
新助はしおれ切って、いつの間にやら生湿なまじめりの土の上へ坐っておりました。言い交したお駒を殺した激動に打ちのめされて、松五郎の憤怒などは素より眼中にありません。
一人は外科へ、一人は町役人へ、一人は土蔵の扉を開けて若旦那の染五郎を出すため、左陣は生湿なまじめりの路地に足跡をつけるのを嫌って、大廻りに店口の方から入って来ました。
水船からい上がって、半身ぐしょ濡れのまま縛られたのでしょう、腰から下は生湿なまじめりのまま、折目も縫目も崩れて、筵の上にしょんぼり坐ったお蔦は、妙に平次の感傷をそそります。
たった一つの手燭てしょくで、平次は実によく調べて行きます。生湿なまじめりの庭にはあつらえたように足跡があって、それがかなり大きいことや、突当りの木戸は外から簡単に輪鍵わかぎの外せることを見極め
おびき出した曲者くせものは、長崎屋の庭で妹を殺害し塀越しに死骸を投げ込んだのだ。六尺の土塀の上に付いた血や、植込みの躑躅つつじの枝が折れて、生湿なまじめりの土に深く型の付いたのなどは、その証拠だ
源吉は生湿なまじめりの手拭をお吉の眼の前にヒラヒラさせました。
黒い影は生湿なまじめりの土の上に双手もろてを突きました。