生半なまなか)” の例文
……人里離れたところで生気を取りもどそうなんてのは、まず至極な思いつきですな。生半なまなか繁華なところにいるてえと、見るもの聞くものしゃくの種、ってわけでね。
もう悪性の流行感冒にかかっても構わない、もし、そんなことにでもなったら、かえって身をばちに思いきったことが出来る、生半なまなかに身を厭えばこそ心が後れるのだ
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
生半なまなかな喜多流を残すよりはタタキ潰した方が天意に叶うと思っていたらしい精進ぶりであった。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
こゝろざしは行ふものとや、おろかしき君よ、そはうゑはしるに過ぎず。志はたゞ卓をたゝいて、なるべく高声かうせいに語るにとゞむべし。生半なまなかなる志を存せんは、存せざるに如かず、志は飯を食はす事なければなり。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)