玉椿たまつばき)” の例文
建物のまわりには円竹まるたけの垣根があって、玉椿たまつばきのような木の花がいちめんに咲いていたが、それは憲一がこれまで見たことのない花であった。
藤の瓔珞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
若狭の八百比丘尼は本国小浜おばまの或る神社の中に、玉椿たまつばきの花を手に持った木像を安置しているのみではない。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
とのべつに呼んでいるから孝助も気の毒に思い、横になって枕をつけ、玉椿たまつばき八千代やちよまでと思い思った夫婦なか、初めての語らい、誠にお目出たいお話でございます。
大木の白木蓮しろもくれん玉椿たまつばきまき海棠かいだう、黒竹、枝垂しだれ桜、大きな花柘榴はなざくろ、梅、夾竹桃けふちくたう、いろいろな種類の蘭の鉢。さうしてそれ等の不幸な木はかくも忙しくその居所を変へなければならなかつた。