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物倦
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ものう
ふりがな文庫
“
物倦
(
ものう
)” の例文
私は
物倦
(
ものう
)
げに立ち上って、部屋の外の、扉の横にあるスウィッチを、半開きにした扉から手をのばして、パチリとひねった。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
そう促して、共に箸を手にしたのであったが、青年は至って
物倦
(
ものう
)
げな様子で、その貴族的な顔に疲れの色を浮べ、ほとんど食わないと云っていい位少食だった。
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
阿賀妻はそのままの
恰好
(
かっこう
)
でうすく
瞼
(
まぶた
)
をあけたが、すぐにまた、いかにも
物倦
(
ものう
)
げにしわりとそれを閉じた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
物倦
(
ものう
)
く着物の前を合せて、それからひそかに姉や兄やまた母親の姿をさけて、茶の間に行った。
咲いてゆく花
(新字新仮名)
/
素木しづ
(著)
すると他の選手たちは命令によって動くという意識なしに、窪田の思い通りにそれに従い初めた。窪田の
物倦
(
ものう
)
げに垂れた眼瞼の奥には、勝利を
孕
(
はら
)
む幾多の画策が黙々として
匿
(
かく
)
されてあった。
競漕
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
▼ もっと見る
「動物園払下げ?」これはうれしいとビラに
惹
(
ひ
)
かれて入る客もあるのだろうが、——あるから、そんなビラを誇示しているのだろうが、私は、動物園の狭い
檻
(
おり
)
のなかで
物倦
(
ものう
)
げに
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
倦
漢検準1級
部首:⼈
10画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思