父讐ふしゅう)” の例文
かつて『曽我物語』を読み、曽我兄弟がその父のあだを報じたる痛快淋漓りんりの段に至り、矍然かくぜんとして案をって曰く「我あに一度は父讐ふしゅうを報ずるあたわざらんや」
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
現に「農家義人伝」は「伝吉、一郷いっきょう悪少あくしょうと共にしばしば横逆おうげきを行えりと云う。妄誕もうたん弁ずるに足らざる也。伝吉は父讐ふしゅうを復せんとするの孝子、あに這般しゃはん無状ぶじょうあらんや」と「木の葉」の記事を否定している。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)