父上おとっさん)” の例文
「ああ、物理書をみんな読むとね、母様おっかさんのいるところが分るって、先生がそう言ったよ。だから、早く欲しかったの、台所にいるんだもの、もう買わなくともい。……おいでよ、父上おとっさん。」
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
失敬なことをいう、盲人めくらがどうした、ものを見るのが私の役か、いざといって船出をする時、船を動かすのは父上おとっさんの役、いかりを抜くのは慶造貴様の職だ。みんなに食事をさせるのはお兼じゃあないか。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何故なぜ父上おとっさんなまぐさをおあがりじゃあないのだね。」
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)