爪牙さうが)” の例文
首も廻らぬ借財の、筋の悪きを聞付けて、得たりや応と攻め掛けし、反対党の爪牙さうがに罹り、そが煽動の出訴により、思はぬ外の監獄入り。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
かりに其の詞をれて、つらつら経久がなす所を見るに、九六万夫ばんぷゆう人にすぐれ、よく士卒いくさ習練たならすといへども、九七智を用ふるに狐疑こぎの心おほくして、九八腹心ふくしん爪牙さうがの家の子なし。
その後源氏第二代の源満仲みなもとのみつなかなどが藤原氏の股肱爪牙さうがとなることに依つて、漸くその勢力を扶植し、源頼義よりよし義家よしいへは前九年、後三年の両役に、陸奥守、鎮守府将軍として武勲を輝かすと共に
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)