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熔
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とろ
ふりがな文庫
“
熔
(
とろ
)” の例文
耳を澄ますと、四山の樹々には、さまざまな
小禽
(
ことり
)
の
群
(
むれ
)
が
万華
(
まんげ
)
の春に歌っている。空は
深碧
(
しんぺき
)
に
拭
(
ぬぐ
)
われて、虹色の陽が
熔
(
とろ
)
けそうに
燦
(
かがや
)
いていた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして流暢な軟かみのある語韻の九州には珍しいほど京都風なのに阿蘭陀訛の
熔
(
とろ
)
け込んだ夕暮のささやきばかりがなつかしい。
水郷柳河
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この五、六日の不安と動揺とが、
懈
(
だる
)
い体と一緒に
熔
(
とろ
)
け合って、嬉しいような、はかないような思いが、胸一杯に漂うていた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
我と我が身の心の戦ひ、独り角力の甲斐はなく、あはれやこれも先生が、慈愛の前にはころりころり。その抵抗力をひしがれて、夏も氷の張詰めし、胸はうざうざ感服と、感謝の念に
熔
(
とろ
)
けさうなり。
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
三好 眼の玉が
熔
(
とろ
)
けちまやしないか?
好日
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
▼ もっと見る
など知らむ、
素肌
(
すはだ
)
に
汗
(
あせ
)
し
熔
(
とろ
)
けゆく
苦悩
(
くなう
)
の
思
(
おもひ
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
雲は
熔
(
とろ
)
けてひたおもて
大河筋
(
おほかはすぢ
)
に射かへせば
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
壁はいたみ、
円柱
(
まろはしら
)
熔
(
とろ
)
けくづれて
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
熔
漢検準1級
部首:⽕
14画
“熔”を含む語句
熔岩
熔鉱炉
熔岩流
熔融炉
熔炉
熔鉄
縄状熔岩
可熔線
砕塊熔岩
熔鉄剤
熔金
熔融石英
熔融水晶
熔融塊
熔融
熔接具
熔接
熔巖
熔巌
熔岩谷
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