煙花はなび)” の例文
一人一人に變化のある、そして氣の利いた點の共通である巴里婦人の服裝を樹蔭の椅子で眺めながら、セエヌ河に煙花はなびの上る時の近づくのを待つて居た。
巴里の独立祭 (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
一人一人に変化のある、そして気のいた点の共通である巴里パリイ婦人の服装を樹蔭こかげの椅子で眺めながら、セエヌ河に煙花はなびあがる時の近づくのを待つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それに附随して神楽かぐらもあれば煙花はなびもある、道祖神のお祭も馳せ加わるという景気でありましたから、女子供までがその日の来ることを待ち兼ねておりました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
砲撃は、ますます熾烈しれつさを加え、これに応酬おうしゅうするかのように、イギリス軍の陣地や砲台よりは、高射砲弾が、附近の空一面に、煙花はなびよりも豪華な空中の祭典を展開した。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「両国の煙花はなびの晩でしたっけねえ——」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
両国の川開きであるなどと、自分は興じて良人をつとに言つて居た。九時半頃に、それはく小さい煙花はなびの一つがノオトル・ダムのお寺の上かと思ふ空にあがつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
沸騰たぎっているしるこの鍋は宙に飛んで、それが煙花はなびの落ちて来たように、亭主の頭から混乱した見物の頭上に落ちて来ましたから、それをかぶったものは大火傷おおやけどをして
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
丁度ちやうどさうした頃から華美はでな大きい煙花はなびが少しの休みもなしに三ヶ所程からあがるやうになつたのである。自分等はまたルウヴル宮の橋のたもとの人込に交つて空を仰いで居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)