無調法ぶちょうほう)” の例文
侍「何を家来めが無調法ぶちょうほうを致しましたか存じませんが、当人に成りかわわたくしがおわび申上げます、何卒なにとぞ御勘弁を」
徳川幕府の創業者の遺訓に曰く、「越方こしかた行末ゆくすえを思い新法を立て、家を新しくするなかれ、無調法ぶちょうほうなりとも、予が立置きたる家法を失い給うべからずと申すべし」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「まあくらくなったこと。かってなことばかりもうして、あかりもださずに、なんという無調法ぶちょうほうでしょう」
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「さあまことにおそれ入りますが私は明るいところ仕事しごとはいっこう無調法ぶちょうほうでございます」といました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ものざといお政は早くも昨夜のことは自分の胸ひとつにおさめてしまえばなにごともなくすむこととさとって、朝起きるそうそう色をやわらげて、両親りょうしんにあいさつし昨夜の無調法ぶちょうほうをわび
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
御難儀のかゝらないように致して…お係りの稻垣様のようなおやさしい御重役を、しくじらせるような無調法ぶちょうほうを致し、事に依ったら切腹でも仰付けられるようなことが有っては済まない