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無月
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むげつ
軍配のてはずを、残りなくいいわたした
民部は、ひとりそこに
踏みとどまり、
人穴攻めの作戦
図を胸にえがきながら、
無月の秋の空をあおいで
戸をあけて
甲板に出ると、甲板のあなたはさっきのままの波また波の
堆積だった。大煙筒から吐き出される
煤煙はまっ黒い天の川のように
無月の空を立ち割って水に近く斜めに流れていた。
また
水寨の水軍などもあわせて
無慮八千、或る夜、忍びやかに
無月の
江灘を渡って総反撃に出て行った。
そらは
無月、
紺紙に
箔をふきちらしたかのごとき
星月夜、——五
遊星、
北極星、
北斗星、二十八
宿星、その
光芒によって
北条流軍学の
星占いをたてているらしい
昌仙は、しばらくあってのち