無提灯むぢょうちん)” の例文
銀町二丁目、三の橋の橋詰に着けた小舟が一そう、中から二人の人間が無提灯むぢょうちんで大きな荷物を背負しょったまま、長崎町一丁目の方へ入って行ったのです。
はかますそ端折はしょって脊割羽織せわりばおりちゃくし、短かいのを差して手頃の棒を持って無提灯むぢょうちんで、だん/\御花壇の方から廻りまして、畠岸はたけぎしの方へついて参りますと
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
出して帰らせました後、ただちに身づくろい致しまして、低下駄の無提灯むぢょうちん、幸いの雪の夜道にポッツリと遠く黒く見えまする男のあとを、悟られぬようつけてまいりました。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)