無二者またなきもの)” の例文
贔屓ひいきし御用も追々多くなり今は利兵衞方りへゑかたにても吉兵衞なくてはかなはぬ樣に相成けり然共されども吉兵衞は少もたかぶらず傍輩はうばいなかむつましく古參こさんの者へはべつしてしたしみける故内外うちそと共に評判ひやうばんよく利兵衞がよろこび大方ならず無二者またなきものと思ひけりしかるに吉兵衞は熟々つら/\思案しあんするに最早もはや紀州を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)