炬燵こた)” の例文
そしてお若さんもお炬燵こたへ、まあ、いらっしゃいまし、何ぞおあったかなもので縁起直しに貴下一口差上げましょうから
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すこし横になろうと思ってお炬燵こたへ入ったんですけど、眠るのが惜しくなって起きてしまいました。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どれ、こつちはあたしがゐても仕様がないから、お炬燵こたにでもはひつてくるわ。
雅俗貧困譜 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
ねえ、マドロスさん、お炬燵こたが出来たらば、手風琴を弾いて唄を聴かせて頂戴、何でもいいわ、あなたのお得意はこのものをね。淋しいから陽気なものがいいでしょう、思い切って陽気な、賑やかな唄を
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ナニ、手が冷たい? そんなら早く行ってお炬燵こたへあたれ」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「蒲団は——お炬燵こたは——入れたかえ」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唯今ただいま何します、どうも、貴下御免なさいましよ。主人が留守だもんですから、少姐ねえさんのお部屋でついお心易立こころやすだてにお炬燵こたを拝借して、続物を読んで頂いておりました処が、」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ま、お炬燵こたへおよんなさい」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)