こぼ)” の例文
別に人参と蒟蒻こんにゃくあるいは蕪などを湯煮ゆでこぼして醤油と味淋にて味をつけ、やわらかになるまで煮て、冷めたる時南京豆と和えるなり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それからまた湯に入れて三十分間ほど煮てはこぼしまた三十分煮ては漏し一時間半位に三度湯煮漏ゆでこぼすとアクが除れます。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
何ほど愚痴をこぼしても愚痴の声で波や風はしずまらない。それよりもこの波をしのいで大海を渡るには千とんの船を造らねばならん。イヤ千噸ではまだ小さい。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それを父がよく知っておりましてある時私に申しますには和女おまえほど不心得なものはない、小山さんが他人の借金を背負って苦しんでいる時にナゼ折々うちへ来て愚痴をこぼした、愚痴を漏すべき事がない
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)