滝上たきのぼ)” の例文
かの大判の竪絵たてえ鯉魚りぎょ滝上たきのぼりの図は外人ひとしく称美する処なれども、余はそれよりも英泉の作中にては名所絵と美人画とを採らんと欲す。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
滝上たきのぼりまでもやった、一時は絶望に近かった、しかし山腹に辿りついてからは、去年の路が、かすかに見分けが出来た、頂は存外変りがなかった。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
また普通の凧の絵は、達磨、月浪つきなみ童子格子どうじごうし、日の出に鶴、雲龍うんりゅう玉取龍たまとりりゅうこい滝上たきのぼり、山姥やまんばに金太郎、あるいは『三国志さんごくし』や『水滸伝すいこでん』の人物などのものがある。
凧の話 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)