滅茶々々めちゃめちゃ)” の例文
経巻などは大部なものであるから、川へ流すとか、原へ持って行って焼くとかいう風で、随分結構なものが滅茶々々めちゃめちゃにされました。
土地では運命を滅茶々々めちゃめちゃにされた男の方に同情が多いものらしかったが、葉子に言わせると男の性格にも欠陥があった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
でも先生わたしのために大事な時間滅茶々々めちゃめちゃにしられておしまいになって、えらい御迷惑でございますやろなあ。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
滅茶々々めちゃめちゃに踏みにじられたまま、掃かれもせずに捨てられてあるようなおもむきがあるとでも言われるであろう。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今まで、あんなに信頼していた母にまで裏切られた寂しさと不快とが、彼女の心を滅茶々々めちゃめちゃに引き裂いた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
商売人と云うものは入組いりくんで/\滅茶々々めちゃめちゃになったとうその間に、又種々様々の面白いことのあるもので、そんな馬鹿な事が出来るものか、ただに商売人に眼らず
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
とちょっと考えて「事に由るとロスの奴、滅茶々々めちゃめちゃかも解らん。今日の電報がたのしみだ。」
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
折角の楽しい旅行が、お蔭で滅茶々々めちゃめちゃになってしまった。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
このままじゃ、私の運命は滅茶々々めちゃめちゃだわ。先生のおしゃべり一つで、私が世の中から葬られるなんてみじめじゃないの。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それにあまり足しげく行かないはずであった松島も、ここは一層気の揉めることが多く、小菊は滅茶々々めちゃめちゃ頭髪あたまをこわされたり、かんざしくしを折られたりしがちであった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
恋愛も恋愛だが、この崩れかかって来た恋愛に、何か一つの目鼻がつき、滅茶々々めちゃめちゃになった彼の面目めんぼくが多少なりとも立つものとすれば、それは彼女の才能を伸ばすことよりほかの手はなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)