湯柄杓ゆびしゃく)” の例文
馬上に握り飯を取って喰い、湯柄杓ゆびしゃくで寸時のかついやしたぐらいで、秀吉は、くに長浜を出、曾根、速水はやみと駈けつづけていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
キャラコさんが、湯柄杓ゆびしゃくを持ったまま、勝手口を出たり入ったりした。
元より、取るに足らぬわっぱのしたこと。巌流は手を下さぬが、そち達がこのままにもいたし難いと思うなら糾明きゅうめいとして、そこの湯柄杓ゆびしゃくで釜の煮え湯を
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
湯柄杓ゆびしゃくを持って、伊織の頭の上から、浴びせかけようとしていた佐兵衛も、まわりの若い衆達も、往来の彼方から
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
錫の茶壺から、碗のうちへ、茶の葉をサラサラとこぼし入れて、釜の湯を湯柄杓ゆびしゃくで汲みながら、道誉はいった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と三成は、湯柄杓ゆびしゃくを釜に入れる。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
湯柄杓ゆびしゃくでか」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)