清浄無垢せいじょうむく)” の例文
旧字:清淨無垢
ただ一つ清浄無垢せいじょうむくな光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるということは……清逸は何んといってもかすかな未練を感じた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
反対はんたいに、ちいさなエチエンヌの清浄無垢せいじょうむくなことは、その薔薇ばらいろのふくらはぎに、後光ごこうのようにあらわれているでしょう。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
あの名前の通りに可憐な、清浄無垢せいじょうむくな姿をした彼女は、貴下と小生の名を呪咀のろいながら自殺したのです。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
文麻呂 (そっと友のかたに手を掛けて)よかろう、清原。僕は決してとがめ立てはしないぜ。いやむしろ君のその碧空あおぞらのごとく清浄無垢せいじょうむくなる心をとらえた女性の顔が一目おがみたい位だよ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)