深浅しんせん)” の例文
旧字:深淺
高田たかたしろ大手先の広場ひろばに、木をかくけづり尺をしるしてたて給ふ、是を雪竿さをといふ。長一丈也。雪の深浅しんせん公税こうぜいかゝるを以てなるべし。
もっとも、味方の諸部将とて、みなこの川すじの深浅しんせんは心得ている。が同時に、それくらいな常識は武田方の諸将にもある。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
剣術の巧拙こうせつを争わん、上士の内に剣客はなはだ多くしてごうも下士のあなどりを取らず。漢学の深浅しんせんを論ぜん、下士の勤学きんがくあさくして、もとより上士の文雅に及ぶべからず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
体得するところに深浅しんせん高低の差があるのは、おそらくまぬがれがたいところであり、また時としては、自ら知らずして誤まった方向に進んでいる者もないとは限りません。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ところで、一口に仲よくするといっても、仲のよさにも、種類があり、深浅しんせんの差がある。そして、どうかすると、仲のよいままに、みんなが堕落だらくするということがないとも限らない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
○ 雪の深浅しんせん