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涎掛
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よだれか
ふりがな文庫
“
涎掛
(
よだれか
)” の例文
が、何分にも、時代も素姓も知れぬ濡れ佛で、折々の
齋
(
とき
)
を獻ずる者はおろか、
涎掛
(
よだれか
)
けの寄進に付く者もないといふ哀れな有樣だつたのです。
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると、二、三歳の小児のような
涎掛
(
よだれか
)
けが頸部にぶら下がって、男は片手をあげてそれを押えているのだった。
いのちの初夜
(新字新仮名)
/
北条民雄
(著)
「いくらなんでも三十スウの
涎掛
(
よだれか
)
けに飾り花をつけて、それで十五フラン下さいといえますかね。あの奥さんがびっくりしても、それを無理だとは言えないわよ」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
私はまた、日本の田舎の町辻にある
涎掛
(
よだれか
)
けをかけた石の地蔵とか、柳の落葉をかぶっている馬頭観音とかいうものの姿が、直ぐ
其処
(
そこ
)
らにでも見当るような親しさで、胸に思い出して居た。
褐色の求道
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
水を浴びたように
慄
(
ぞっ
)
となる、霧がたためく間に灰色をして、岩壁を封じてしまう、その底から嘉代吉の
鉈
(
なた
)
が晃々と閃めいて、斜めに
涎掛
(
よだれか
)
けのように張りわたした雪田は、サクサクと削られる
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
それに並んで、実物よりもよほど大きいかと思われる黒い石の牛が
蹲
(
うずくま
)
っていて、大きな
涎掛
(
よだれか
)
けが掛けてあり、角もいろいろ結びつけてありました。境内からは、塀のすぐ上に堤の桜がよく見えます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
お銀も貰い泣きをしながら、子供に
涎掛
(
よだれか
)
けを出してくれなどした。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
が、なにぶんにも、時代も素姓も知れぬ濡れ仏で、折々の
斎
(
とき
)
を献ずる者はおろか、
涎掛
(
よだれか
)
けの寄進に付く者もないという哀れな有様だったのです。
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人の細君が
涎掛
(
よだれか
)
けを持って来て、刺繍をしてくれと頼む。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
涎
漢検1級
部首:⽔
10画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“涎”で始まる語句
涎
涎懸
涎垂
涎衣
涎流
涎液
涎繰
涎臭
涎食