“よだれか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
涎掛80.0%
涎懸20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いくらなんでも三十スウの涎掛よだれかけに飾り花をつけて、それで十五フラン下さいといえますかね。あの奥さんがびっくりしても、それを無理だとは言えないわよ」
私はまた、日本の田舎の町辻にある涎掛よだれかけをかけた石の地蔵とか、柳の落葉をかぶっている馬頭観音とかいうものの姿が、直ぐ其処そこらにでも見当るような親しさで、胸に思い出して居た。
褐色の求道 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
涎懸よだれかけのように石を喰い欠いて、堆く盛り上っている、その雪田の下の方を、半分以上廻り途して、頂上へと達した。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
この傾斜を上り切って、ひょいと顔を出すと、槍ヶ岳の大身の槍尖が、すいと穂を立てている、そうして白い雪が、涎懸よだれかけのように半月形をして、その根元の頸を巻いている。
槍ヶ岳第三回登山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)