浸水しんすい)” の例文
と、博士の説明が始まったが、轟々ごうごうたる浸水しんすいの音がとかく邪魔をしていけない。博士はそれにお構いなくしゃべりつづける。
富士男は一同に浸水しんすいのゆらいを語って安心をあたえ、それからふたたび甲板へ出た。夜はもう一時ごろである。そらはますます黒く、風はますますはげしい。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
なにも知らずに胴ノ間に寝ていたマレー人どもは浸水しんすいにおどろき、あわてふためいて甲板へ駆けあがってきた。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
浸水しんすいがひどくて、手のつけようもない。それから三十分ばかりのうちに沈んでしまった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
じっさいそれは不幸中のさいわいであった、船は暗礁あんしょうの上にすわったので、外部には少しぐらいの損傷そんしょうがあったが、浸水しんすいするほどの損害そんがいはなかった、だが動かなくなった船をどうするか。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
遺憾いかんながら電文の前の方は聞きもらしましたので途中からでありますが、こんなことを打ってきました。“——船底ふなぞこガ大破シ、浸水しんすいハナハダシ。沈没マデ後数十分ノ余裕シカナシ。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もし浸水しんすいがほんとうなら、この船の運命は五分間でおわるのである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)