海綿かいめん)” の例文
頭のなかには、水気のない海綿かいめんがいっぱいにつまっているようだったが、それでいて、どこかに砂のようにざくざくするものが感じられた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
金属のベルトの内側に海綿かいめんがはりつけてあるものを作っておきます。これを1と2の二つの滑車かっしゃにかけて、あのように一部分は水にひたします。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
父は海綿かいめんを使ったまま、「よし、今行く」と返事をした。それからまた保吉へ顔を見せながら、「お前はまだはいっておいで。今お母さんがはいるから」
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
死ぬのはこれほどいやな者かなと始めてさとったように思う。雨はだんだんみつになるので外套がいとうが水を含んでさわると、濡れた海綿かいめんすようにじくじくする。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
堅くかわける海綿かいめんを見る
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
良人おっとというものは、ただ妻の情愛を吸い込むためにのみ生存する海綿かいめんに過ぎないのだろうか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その皿の上にのっていた灰色のぶよぶよした海綿かいめんのようなものも見えませんか。よく探してみてください。そのぶよぶよした海綿みたいなものを、どうか見つけてください。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
水をひたる海綿かいめん
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)