海屋かいおく)” の例文
山陽だとか、小竹しょうちくだとか、海屋かいおくだとか、広沢こうたくだとか、そんなことがいけない。本当に書をやるには、本家本元の本格のものに就いて正楷を本当に叩き込まなけりゃならぬ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あんまり不味まずいから、漢学の先生に、なぜあんなまずいものを麗々れいれいと懸けておくんですとたずねたところ、先生はあれは海屋かいおくといって有名な書家のかいた者だと教えてくれた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
で、時雄は父親とむしろ快活に種々なる物語にふけった。父親は田舎の紳士によく見るような書画道楽、雪舟、応挙、容斎の絵画、山陽、竹田ちくでん海屋かいおく茶山さざんの書を愛し、その名幅を無数に蔵していた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)