浅野内匠頭あさのたくみのかみ家来、当時細川家ほそかわけに御預り中の大石内蔵助良雄おおいしくらのすけよしかつは、その障子をうしろにして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
浅野内匠頭あさのたくみのかみも吉良上野介も浅野家の家来もみな日本の国民にて、政府の法に従いその保護をこうむるべしと約束したるものなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
すなわち辛巳かのとみの年のことで、多分は元禄十四年、浅野内匠頭あさのたくみのかみが腹を切った時分の事である。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
浅野内匠頭あさのたくみのかみの切腹も、忽ち伝わった。吉良家きらけの混乱ぶりがなお話題になる。
去年三月主君浅野内匠頭あさのたくみのかみ殿中でんちゅうにて高家こうけの筆頭吉良上野介きらこうずけのすけ刃傷にんじょうに及ばれ、即日芝の田村邸において御切腹、同時に鉄砲洲の邸はおげとなるまで、毛利小平太は二十石五人扶持ぶち頂戴ちょうだいして
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
いいえ、神崎与五郎は播州赤穂浅野内匠頭あさのたくみのかみの浪人です」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)