河口かわぐち)” の例文
大和やまとの方から泉州せんしゅうめぐり、そこに潜伏中の宮和田胤影みやわだたねかげい、大坂にある岩崎長世ながよ、および高山、河口かわぐちらの旧友と会見し、それから京都に出て
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこでいよいよ松山虎夫変死事件の詮議せんぎがはじまることとなった。帆村探偵は、松山たちの動静どうせいにつき、その夜見ていたままを、雁金かりがね検事と、河口かわぐち捜査課長とに説明した。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は永代橋を渡る時活動するこの河口かわぐちの光景に接するやドオデエがセエン河を往復する荷船の生活を描いた可憐かれんなるの『ラ・ニベルネエズ』の一小篇を思出すのである。
みことはそのからすがつれて行くとおりに、あとについてお進みになりますと、やがて大和やまと吉野河よしのがわ河口かわぐちへお着きになりました。そうするとそこにやなをかけてさかなをとっているものがおりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
船はいつしか狭い堀割の間から御船手屋敷おふなでやしきの石垣下をめぐってひろびろとしたつくだ河口かわぐちへ出た。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)