河口かはぐち)” の例文
去年の秋の文部省展覧会に、竹内栖鳳氏の『河口かはぐち』といふ作品を見た時、この美術批評家は一寸その絵の前で立ちどまつたが
われ不朽の雙兒とともにめぐれる間に、人をしていとあらくならしむる小さき麥場うちば、山より河口かはぐちにいたるまでこと/″\く我に現はれき 一五一—一五三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この河口かはぐちは江戸時代から大きな船の碇泊した港で、今日でも東京湾汽船会社の桟橋と、船客の待合所とが設けられ
町中の月 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「少将の歌われた『葦垣あしがき』の歌詞を聞きましたか。ひどい人だ。『河口かはぐちの』(河口の関のあらがきや守れどもいでてわが寝ぬや忍び忍びに)と私は返しにうたいたかった」
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
河口かはぐち街角まちかど、工場の屋根などが寂しいねむけに渦卷いて
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
私は永代橋えいたいばしを渡る時活動する此の河口かはぐちの光景に接するやドオデヱがセヱン河を往復する荷船の生活をゑがいた可憐なるの「ラ・ニベルネヱズ」の一小篇を思出おもひだすのである
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
油の焔は河口かはぐちのガス燈のやうに
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)