沈重ちんちょう)” の例文
私は『柵草紙しがらみぞうし』以来の先生の文学とその性行について、何とはなく沈重ちんちょうに考え始めようとした。あたかもその時である。
彼の風貌ふうぼうのうちには、沈重ちんちょうな北方人の趣きと瞑想めいそう的な苦行者の趣きとがあるといわれているが、その心には、輝かしい溌剌はつらつたる魂が蔵せられていた。
それに年が十六で、もう十九になっている玄機よりはわかいので、始終沈重ちんちょうな玄機に制馭せいぎょせられていた。そして二人で争うと、いつも采蘋が負けて泣いた。そう云う事は日毎にあった。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と駒井は、いつもの通り沈重ちんちょうに釈明を試みました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)