水銹みずさび)” の例文
堤の北は藻隠もがくれにふなの住む川で、堤の南は一面の田、紫雲英が花毛氈はなもうせんを敷き、其の絶間たえま〻〻たえまには水銹みずさび茜色あかねいろ水蓋みずぶたをして居た。行く程に馬上の士官が来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
青森あおもりあたりだとききました、越中えっちゅうから出る薬売りが、蓴菜じゅんさいいっぱい浮いて、まっさお水銹みずさびの深い湖のほとりで午寐ひるねをしていると、急に水の中へ沈んでゆくような心地こころもちがしだしたので
糸繰沼 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)