水道尻すいどうじり)” の例文
不夜城を誇り顔の電気燈にも、霜枯れ三月みつきさびしさはのがれず、大門おおもんから水道尻すいどうじりまで、茶屋の二階に甲走かんばしッた声のさざめきも聞えぬ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
十二日も十三日も盂蘭盆の草市くさいちで、廓も大門口から水道尻すいどうじりへかけて人の世の秋の哀れを一つに集めたような寂しい草の花や草の実を売りに出る。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なかちょう水道尻すいどうじりに近い、蔦屋つたやという引手茶屋で。間も無く大引おおびけの鉄棒かなぼうが廻ろうという時分であった。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ために寄った方が水道尻すいどうじり、日本堤から折れて這入はいると大門おおもん、大江戸のこれは北方に当る故北国ほっこくといった。