水滴すいてき)” の例文
水滴すいてき。陶器。窯は恐らく瀬戸。寸法、縦二寸一分、横巾二寸九分、厚さ八分。模様は竹にとら浮彫うきぼり。型。鉄砂入。日本民藝美術館蔵。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
そして一人の長身の紳士が、ぬっと立ち現れた。その手には写真の印画紙いんがしらしいものを二三枚もっているが、いま水から上げたばかりと見えて水滴すいてきがぽたぽた床のうえに落ちた。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
君、なるほど火の芸術は厄介やっかいだ。しかしここに道はある。どうです、鵞鳥だからむずかしいので。蟾蜍ひきがえると改題してはどんなものでしょう。むかしから蟾蜍の鋳物は古い水滴すいてきなどにもある。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あの李朝の水滴すいてきを見よ、または伊万里の猪口ちょこを見よ、いかにその小さな空間に画かれた模様に限りない変化があるかを。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)