残燈ざんとう)” の例文
新字:残灯
夜雨やうあきさむうしてねむりらず残燈ざんとう明滅めいめつひとり思うの時には、或は死霊しりょう生霊いきりょう無数の暗鬼あんきを出現して眼中に分明なることもあるべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「……ここぞ、内侍所ないしどころらしい」と、さし覗けば、神器もすでに持ち出されてあり、ほの暗い細殿に、ただ残燈ざんとうの影がかそけく、またたいているだけだった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)