歌曲リード)” の例文
歌曲リードと、二つの交響曲シンフォニーと、交響詩や、四重奏曲や、ピアノの組曲や、舞台音楽などです。」とクリストフはむきになって言った。
続く幾つかの室内楽や美しい歌曲リードの数々は、友人達に励まされてとにもかくにも世に送り出されたが、当時は誰もかえりみるものはなかった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
彼らが喝采かっさいしてるのは、歌曲リードをではなかった——(彼女がたとい他の曲を歌ったのであっても、彼らは同じように喝采しただろう)
シューベルトは歌劇オペラ交響曲シンフォニー弥撒ミサ、室内楽、歌曲リード、その他あらゆる形式の作曲をし、かつてその天才の泉の涸渇こかつする気色も見せなかった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
右の作品以外に、歌曲リードの中から——彼には最も気に入り従って公衆には最も気に入らぬものの中から、三十曲ばかりを彼は選んだ。
シューマンの作曲の特色的にして興味深いものは、大袈裟おおげさなシンフォニーよりは、むしろピアノ曲と歌曲リードでなければならない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
一つの歌曲リードには四行から六行くらいの詩句で十分である。もっとも単純な表現でよろしい。巧妙な展聞も精緻せいち和声ハーモニーもいらない。
フーゴー・ヴォルフは、ドイツ歌曲リード中でも気むずかしいもので、素人が慰み半分に聴くようなものではない。
折りにふれての情緒を直接に表現したもの——すべてのうちで最も永存すべきもので、音楽的感想、すなわち歌曲リードであった。
または、一連の悲劇的な歌曲リード。それはスペインの俗謡の文句に作曲したもので、その中には黒い炎とも言うべき恋と喪との陰気な歌があった。
昔のドイツの古い歌曲リードの実質となってるもののような、日々の思想や行為に関連する美しい詩的な原文を、彼はオリヴィエから得たがっていた。
三人の少女が、森の家のまわりでいっしょにロンドを踊りながら、無邪気な古いドイツの歌曲リードを歌ってるのだった。
けれどそういう地質こそ、偉大なる古典派らの味わいや広い名声を作り出したのだ。もっとも単純な音楽形式から、歌曲リードから、歌芝居ジンクシュピールから、彼らは出発したのだ。
「あなたは音楽を書いたことがあるそうですね。何を書きましたか。もとより歌曲リードでしょう?」
それから一週間ばかりあとに、クリストフはこしらえたばかりの歌曲リードをピアノでひいてみた。
老人はひとり言をいったり、馬鹿野郎と自分をけなしてみたり、あるいは賛美歌の断片や感傷的な歌曲リードいくさの行進曲や酒のうたなどをごっちゃにないまぜて、太い声で歌っていた。
顔を洗いながら十四連の感傷的な歌曲リードを歌い、窓につかまってタンブリンの音をまねてるクリストフの顔に水をはねかけ、出かける時には、庭に咲き残ってる薔薇ばらの花を摘み取り
ドイツの古い歌曲リードの中に、ドイツの古典芸術の中にもっとも根深く存在してるところのものにたいして、新しい友人らが深いやさしい愛情をいだいてることを、見てとったのだった。