歌吹かすい)” の例文
十八の年まで、まことの親も及ばないほど愛して下さいました。歌吹かすい音楽のほか、人なみの学問から女の諸芸、学び得ないことはなに一つありませんでした。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源氏車や菊寿きくじゅ提灯ちょうちんに火が入って、水色縮緬みずいろちりめん緋羅紗ひらしゃの帯が、いくつもおぼろ雪洞ぼんぼりにうつって、歌吹かすいの海に臙脂べにが流れて、おこんが泣けばみつぐも泣く頃には、右の間の山から、中の地蔵、寒風さむかぜの松並木
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)