檀越だんおつ)” の例文
竜神何卒なにとぞ檀越だんおつに一度逢わせてくださいと頼むと、数日後果して貴人より召され、夥しく供養されたという(『宋高僧伝』七)。
さす手ひく手のたえ、面白の振りの中にびた禅味がたゆとうとて珍重ちんちょうされたのは、鯉魚庵の有力な檀越だんおつとなって始終、道味聴聞どうみちょうもんの結果でありました。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
また厨裡くり心太ところてんを突くような跳梁権ちょうりょうけんを獲得していた、檀越だんおつ夫人の嫡女ちゃくじょがここに居るのである。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伝手つてがあればまず貰えるといったようなもので、其塩それは貴族と僧官の主なるものに分たれる。もっとも大なる檀越だんおつとかあるいは殊更に関係ある大商業家などは幾分か貰えるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)