“横噛”の読み方と例文
読み方割合
よこかじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しゃがんだり、中には赤手拭をちょっと頭にのせたのも居て、——これは酒じゃない、大土瓶から、茶をがぶがぶ、丼の古沢庵ひねたくあん横噛よこかじりでってると、破れかかった廚裡くりの戸口に
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(ぐったりと衣紋えもんを抜く)取る年の可恐おそろしさ、近頃は歯が悪うて、人間の首や、沢庵たくあん尻尾しっぽはの、かくやにせねば咽喉のどへは通らぬ。そのままの形では、金花糖の鯛でさえ、横噛よこかじりにはならぬ事よ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私なんぞ、まったく、この身体からだ溝石どぶいしにして、這面しゃつらへ、一鑿ひとのみ、目鼻も口も、削りかけの地蔵にして、その六地蔵の下座の端へ、もう一個ひとつ、真桑瓜を横噛よこかじりにした処を、さらしものにされていのです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)