榧寺かやでら)” の例文
黒船町くろふねちょうへ来ると、町が少し下って二の町となる。村田の本家(烟管屋キセルや)がある。また、榧寺かやでらという寺がある。境内にかやが植わっていた。
御厩河岸おうまやがし榧寺かやでらには虫歯に効験しるしのある飴嘗あめなめ地蔵があり、金竜山きんりゅうざん境内けいだいには塩をあげる塩地蔵というのがある。
市中警戒という名で新徴組の隊士が十七、八人榧寺かやでらに陣取っている。異様の風体をしたものが右往左往しているという有様でした。
首尾の松の釣船つりぶね涼しく椎木屋敷しいのきやしき夕蝉ゆうせみ(中巻第五図)に秋は早くも立初たちそめ、榧寺かやでら高燈籠たかとうろうを望む御馬屋河岸おんまやがし渡船とせん(中巻第六図)には托鉢たくはつの僧二人を真中まんなかにして桃太郎のやうなる着物着たる猿廻さるまわ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ちょうど、黒船町の御厩河岸おんまやがしで火は止まりました。榧寺かやでらへいや門は焼けて本堂は残っていた。