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業腹
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ごふはら
ふりがな文庫
“
業腹
(
ごふはら
)” の例文
それから又夏目先生の話に
子規
(
しき
)
は先生の俳句や漢詩にいつも批評を加へたさうです。先生は
勿論
(
もちろん
)
子規の
自負心
(
じふしん
)
を多少
業腹
(
ごふはら
)
に思つたのでせう。
正岡子規
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
室長は一年の時同室だつた父親が県会議員の
佐伯
(
さへき
)
だつた。やはり一年の時同室だつた郵便局長の
倅
(
せがれ
)
は東寮に入れられて
業腹
(
ごふはら
)
な顔をしてゐた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
それらの人は又自分が信者になれないのは発覚して殺される事が怖いからだと人から思はれたり自分でも思ふ事が
業腹
(
ごふはら
)
なので
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
「あんなのを送つた日にや、八丁堀の旦那衆から、どんなお小言が出るか判らない。
業腹
(
ごふはら
)
だがたうとう繩を解いて了つたよ」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
業腹
(
ごふはら
)
ながら爺さんの言葉通りに、荒壁の上塗だけは越してから塗ることにして、九日曉荷物を運び込む故、疊だけは必ず敷いておいて呉れ、と固くも頼んで
樹木とその葉:04 木槿の花
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
▼ もっと見る
若者はそれなり鳧をつけてしまふのが
業腹
(
ごふはら
)
だつたと見えて、よくも考へないで咄嗟に泥土をひと塊りつかみあげるなり、それを
女房
(
かみさん
)
のうしろから投げつけた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
と旗本は丁寧に礼を述べたものの、何が書いてあるのか
何
(
ど
)
うしても読み下せなかつた。新右衛門に訊いて笑はれるのも
業腹
(
ごふはら
)
なので、どうにか
了解
(
のみこ
)
めたやうな顔をして
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
私は
顰
(
しかめ
)
ツ顔をして云つた、それでも、ここまで来て、買はずに帰るのも
業腹
(
ごふはら
)
だつたので……。
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
なあ平三、おれは借金までしてお前に送つて居ると人に思はれるのが
業腹
(
ごふはら
)
がわくさかい、決して金の出所を人に悟られぬ様にして居る。それやさかい、誰でも言はんものはない。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
私も帰りたいのは山山だけれど悪くもないのを残されたのが
業腹
(
ごふはら
)
なのでいつまでも泣きかかつてはこらへ、泣きかかつてはこらへしてゐた。が、とどのつまりは泣くよりほかはなかつた。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
「——笑はないで聞いてくれ、本当を打ちあけると、私は随分以前から、お前が好きだつたのだ。けれど、主人を笠に云ひ寄つたなぞと思はれるのも
業腹
(
ごふはら
)
だから、ぢつと押へて黙つてゐた」
一の酉
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
彼女はまだ
業腹
(
ごふはら
)
さうに、乞食の言葉には返事もせず、水口の板の間へ腰を下した。それから流しへ泥足を伸ばすと、ざあざあ水をかけ始めた。
お富の貞操
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
業腹
(
ごふはら
)
ぢやありませんか、相生町は石原の利助親分の息のかゝつたところで、錢形の親分だつて、頼まれでもしなきや乘出す場所ぢやありませんぜ」
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
論敵に憐まれる不愉快は
夙
(
つと
)
に君も知つてゐる筈である。もし君との論戦の中に少しでも敵意を感じたとすれば、この点だけは実に
業腹
(
ごふはら
)
だつた。以上。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
言はれるだらう。それに他の御用聞に嗅ぎ出されて、馬鹿にされるのも
業腹
(
ごふはら
)
だ。錢形の兄哥なら——
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「向うへ着くと暗くなるが、一と晩の違ひで三千兩の始末をされるのも
業腹
(
ごふはら
)
だ。行つて見ようか」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それも唯解いてくれたと云ふ丈で、肝腎の弟子の方へは、
優
(
やさ
)
しい言葉一つかけてはやりません。大方弟子が蛇に噛まれるよりも、寫眞の一筆を誤つたのが、
業腹
(
ごふはら
)
だつたのでございませう。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「早くあの野郎を縛つて下さいよ、親分。三輪の親分に先手を打たれちや
業腹
(
ごふはら
)
ぢやありませんか」
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それも唯解いてくれたと云ふ丈で、肝腎の弟子の方へは、優しい言葉一つかけてはやりません。大方弟子が蛇に噛まれるよりも、写真の一筆を誤つたのが、
業腹
(
ごふはら
)
だつたのでございませう。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
十手捕繩を預つてこんなことを言ふのは
業腹
(
ごふはら
)
だが、今度ばかりは手を燒いたやうなわけさ
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「出した方がいゝぜ。つまらねえことをして、痛くもない腹を探られるのも
業腹
(
ごふはら
)
だ」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あんまり
業腹
(
ごふはら
)
だから、福井町を廻つて、いろんな事を聽き出して來ましたよ」
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「少し
業腹
(
ごふはら
)
ですね」
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“業腹”で始まる語句
業腹至極