“業師(わざし)” の例文
フルトヴェングラーの「パルジファル」は、これも天下一品的なもので、ストコフスキーほどの業師(わざし)でもその境地は狙(うかが)い得ないだろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂、野村あらえびす(著)
関守先生、あれでなかなか業師(わざし)だから、何か所存あって、がんりきめを囮(おとり)に使いたいために、わざわざこんなところへ反間の手を食ったかな。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大敵だ! なるほど、門倉や間柄から聴かされていた通り、こやつまざまざと、わが目で見ねば信じ難いほどの業師(わざし)——油断すれば、こちらが危うい。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
実は、この杢平牛は戦場往来の業師(わざし)で、仕切りの間隔が短いと、いきなり相手の頭といわず面といわず、頸、胸といわず角を突き刺して一挙に凱歌をあげるという手を知っている。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
二人の業師(わざし)、群衆のもなかにありて跳ね踊る。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
範覚も業師(わざし)、飛んで避け
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
切支丹大魔術師の一世一代を名残(なご)りとして興行界から引退したお角、引退はしたけれども、世間もこの業師(わざし)を捨てて置きたがらないし、自分も、どうかすると
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この点においてワインガルトナーやフルトヴェングラーの如き業師(わざし)たちとは大きな相違である。
その演奏はクーベリック同様非常に華やかな技巧的なものではあったが、クーベリックほど業師(わざし)ではなく、それよりは上品で、ヨーロッパ特に本国のチェッコではなかなか評判が良い。
この人ほどの業師(わざし)が、精一杯に歌った面白さはまた格別であると言っていい。