業報ごっぽう)” の例文
いわんや一旦の悪因縁を結んで念々に解きやらず。生きては地獄の転変に堕在し、叫喚鬼畜の相をげんし、死しては悪果を子孫に伝へて業報ごっぽう永劫の苛責に狂はしむ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこで余は隋帝の故智こちに倣い、秀吉とか家康とか種々雑多の人物が国家のために殺生した業報ごっぽうで、地獄に落ちおるのを救うためと称して、毎度一人一銭ずつの追福税を厳課し
かくの如きの物語、六道りくどうちまた娑婆しゃばにあらはし、業報ごっぽう理趣ことわりを眼前に転ず。聞く煩悩即菩提ぼんのうそくぼだい六塵即浄土ろくじんそくじょうどと、呉家祖先の冥福、末代正等正覚まつだいしょうとうしょうがく結縁けちえんまことにかぎりあるべからず。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)