業々ぎょうぎょう)” の例文
之は新聞にも業々ぎょうぎょうしく伝えられて警察非難の声も挙った位だから、知っている人もあろうが、ある兇暴な団体(事実は何人なんぴと仕業しわざか分らないが)
急行十三時間 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
その時奥さんは地味な紺の上っ張りを着こんでいたが、業々ぎょうぎょうしい夫人の姿をひと眼見るなり、大根は莚の上に放りはなして、奥へ逃げこんでしまった。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
いずれも名前にかたどった、白虎、青竜、玄武、朱雀、の紋を付けた衣裳を着、さも業々ぎょうぎょうしく押しならんだ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
言いようが余り業々ぎょうぎょうしいので、取合う気もなかった婆さんも近々と目を寄せて
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我にもあらず、業々ぎょうぎょうしい悲鳴を上げて、折枝はその場に立ちすくんだ。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)