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楆
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かなめ
ふりがな文庫
“
楆
(
かなめ
)” の例文
お島は
楆
(
かなめ
)
と
欅
(
けやき
)
の木とで、二重になっている
外囲
(
そとがこい
)
の
周
(
まわり
)
を、
其方
(
そっち
)
こっち廻ってみたが、何のこともなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
勝手
(
かって
)
に屋敷の中を通る小学校通いの子供の草履ばた/\で驚いて朝寝の
眠
(
ねむり
)
をさましたもので、
乞食
(
こじき
)
物貰
(
ものもら
)
い話客千客万来であったが、今は屋敷中ぐるりと竹の四ツ
目籬
(
めがき
)
や、
楆
(
かなめ
)
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
両側を
楆
(
かなめ
)
かなにかの生籬にしてあるのはいゝとして、狭い靴脱から、もう縁板がいやに拭き光りがしてをり、廊下を踏んでゆくと、茶黒い
光沢
(
つや
)
を帯びたものが
韈
(
くつした
)
を吸ひとるやうにひつぱるのである。
薄暮の貌
(新字旧仮名)
/
飯田蛇笏
(著)
目立たざる
楆
(
かなめ
)
の花を眺めかな
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
西片町
界隈
(
かいわい
)
は、古いお
馴染
(
なじ
)
みの町である。この区域の空気は一体に明るいような気がする。お作は
楆
(
かなめ
)
の
垣根際
(
かきねぎわ
)
を
行
(
ある
)
いている幼稚園の生徒の姿にも、一種のなつかしさを覚えた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
然し整理熱は田舎に及び、彼の村人も墓地を拡張整頓するそうで、此程
周囲
(
まわり
)
の雑木を切り倒し、共有の小杉林を
拓
(
ひら
)
いてしもうた。いまに
楆
(
かなめ
)
の
生牆
(
いけがき
)
を
遶
(
めぐ
)
らし、桜でも植えて奇麗にすると云うて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
楆
部首:⽊
13画