みざお)” の例文
河舟かわぶねの小さなのが岸につないであった。豊吉はこれに飛び乗るや、ともづなを解いて、みざおを立てた。昔の河遊びの手練しゅれんがまだのこっていて、船はするすると河心かしんに出た。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
遠く河すそをながむれば、月の色のくまなきにつれて、河霧夢のごとく淡く水面に浮かんでいる。豊吉はこれを望んでみざおを振るった。船いよいよ下れば河霧次第に遠ざかって行く。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)