ざお)” の例文
見れば前髪の若者自身が、水馴みなざおを取って、頻りと止める船頭や客を尻目に、ぐいぐいと棹の水を切ってこなたの岸へ船を突き進めて来るのであった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢橋やばせの渡し舟の船頭があやつるさばきあざやかななれざおから身をかわして、瀬田の橋の方へ泳いでいくと、こんどは橋番からなんどもなんども追いたてられたのです。
木の枝にかけわたした竹ざおつるがまきついて、唐茄子とうなすが二ツなっていた。