根絶ねだや)” の例文
万一これに一発のたまを与えたならば、熱病其他そのたの怖るべきたたりこうむって、一家は根絶ねだやしになると信じられている。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「当り前じゃあないか。神祭かんまつりの際に悪事を働くなんど怪しからん奴等だから、懲らしめのために二年つづきで遣付やっつけてやった。今年で根絶ねだやしに致すところなんだ」
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
私は、彼を戀しようとは思はなかつた。私が、自分の心の中から、探し出せるだけの戀の萠芽を根絶ねだやしにしようと、非常に苦勞してゐたことを、讀者は御存知でせう。
すると此の頃江戸から武者修行だと云って来ていた二人の侍が、その親船へ乗込んで海賊の親方を叩ッ切って、船へ火イ掛けやして、泥坊を根絶ねだやしにしただ、何とつええ侍じゃねえか
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)