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枳殼垣
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からたちがき
ふりがな文庫
“
枳殼垣
(
からたちがき
)” の例文
新字:
枳殻垣
此家
(
ここ
)
の隣屋敷の、時は五月の初め、朝な/\學堂へ通ふ自分に、目も覺むる淺緑の
此上
(
こよ
)
なく嬉しかつた
枳殼垣
(
からたちがき
)
も、いづれ
主人
(
あるじ
)
は風流を
解
(
げ
)
せぬ醜男か
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
丸山町へ行つて
崖
(
がけ
)
の下の方から見ると、直助の家は竹林の上に屋根だけ見せますが、竹林の中には人間の歩いた樣子はなく、第一、竹林の外の
枳殼垣
(
からたちがき
)
は
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
竹から竹を傳はつて
枳殼垣
(
からたちがき
)
を越え、
椎
(
しひ
)
の
樹
(
き
)
を
滑降
(
すべりお
)
りて、下の往來に立つたのは、思ひも寄らぬ見事な體術です。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人の
入
(
はひ
)
られぬ樣に厚い
枳殼垣
(
からたちがき
)
を繞らして、本丸の跡には、希臘か何處かの昔の城を眞似た大理石の家を建てて、そして、自分は雪より白い髮をドッサリと肩に垂らして、露西亞の百姓の樣な服を着て
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「池の端の
枳殼垣
(
からたちがき
)
の中——あのお吉の
長襦袢
(
ながじゆばん
)
を脱ぎ捨ててあつたあたりに女の
櫛
(
くし
)
が落ちてゐたんで」
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
もう一つ、直助の腕と身體を見て、此男なら、竹から竹に傳はつて、
枳殼垣
(
からたちがき
)
が越せると思つたんだ。——染吉を殺したのは、極く懇意な男だ、勇太郎か直助の外にはない
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お六の金をさらつた雪之助は自分の家へ持込むのが不用心と思つたので一と先づ
枳殼垣
(
からたちがき
)
越しに、財布を隣の寺の境内に投げ込み、翌る日の朝行つて始末をし、金は燈籠に
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は此處に腰を
据
(
す
)
えて調べるのかと思ふと、勝手口の表戸の締りだけ見て、至つて簡單にきりあげ、最後に、路地の突き當りの
枳殼垣
(
からたちがき
)
越しに、寺の境内の樣子を眺めました。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
岸へ
漕
(
こ
)
ぎ寄せて、
枳殼垣
(
からたちがき
)
へ引つ掛けたのを見ると、
紛
(
まぎ
)
れもなくそれは、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
扱帶
(
しごき
)
で、斑々として
絞
(
しぼ
)
り
染
(
ぞめ
)
のやうに薄黒くなつてゐるのは、泥に交つた古い血の
凝固
(
かたまり
)
だつたのです。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
岩吉は
枳殼垣
(
からたちがき
)
と建物の間を狹く拔けて、お六婆アの家の裏口へ廻つて仰天しました。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一つ念のために今朝
枳殼垣
(
からたちがき
)
の上にあつたといふ、お吉の着物を見せてもらひましたが、それはお
妾
(
めかけ
)
らしい派手な
長襦袢
(
ながじゆばん
)
で、燃え立つやうな
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
扱帶
(
しごき
)
までも添へてあるのです。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
枳
漢検1級
部首:⽊
9画
殼
部首:⽎
12画
垣
常用漢字
中学
部首:⼟
9画
“枳殼”で始まる語句
枳殼