枯燥こそう)” の例文
多年病魔と戦つてこの大業を成したるの勇気は凛乎りんことして眉宇びうの間に現はれ居れどもその枯燥こそうの態は余をして無遠慮にいはしむれば全くきたる羅漢らかんなり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
だが、それから六年後の今、このやわらかい景色けしきや水音を聞いても、かれはかえって彼のかたくなになったこころを一層枯燥こそうさせる反対の働きを受けるようになった。彼は無表情のを挙げて、崖の上を見た。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)