本読ほんよみ)” の例文
旧字:本讀
コペンハーゲンの町人や二三人の本読ほんよみもまじって、みんなビールのジョッキをひかえて、むちゅうになってしゃべっていて、はいって来た客にはいっこう気がつかないようでした。
当日われは破笠子より作者の面々に引合されつづいて翌日本読ほんよみにと先生出勤の折には親しく皆のものへよろしく頼むとの一言いちごんこれまことに御前ごぜんの御声掛りにして作者の面々おのずからわれを
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
役の振当ふりあてもあらかた済んで、さて愈々いよ/\本読ほんよみにかかると、延若も、雀右衛門も、そのほかの俳優も折角自分が楽みにして待ち設けた台辞せりふが無いので、てんでに変な顔をしてゐるが、実をいふと
市村座で『闇黒世界』という西洋だねの新狂言をやることになった。「本読ほんよみ」を聞くと、その中に、主人公の催眠術師が一人の男をその術にかけ、自由自在にそいつを飜弄するところがあった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)