本筋ほんすじ)” の例文
しかし本筋ほんすじから言って、ある年齢たとえば成年近くなれば、子に対して、知能識見しっけん等について相当敬意を払う場合があり得る。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
とかく世間では、意地をはって心にもないやせがまんをするのを、鍛練だと思いがちだが、それは鍛練の本筋ほんすじではない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
彼女が、今かかえられているミマツ曲馬団は主に、外国をうってまわるのが、本筋ほんすじだった。一年も二年も、ときによると三年も、外国の町々を、うってまわる。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この絹織物を見ますと、袴地としては最も正しい系統の品だということを感じます。袴は礼儀の品でありますから、張りのあるきちんとした楷書風かいしょふうのものが本筋ほんすじでありましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その竹童のことは、話の順序じゅんじょなんで……じゃ、てッとりばや本筋ほんすじをもうしあげます。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
話が本筋ほんすじをはずれると、分りにくくなりますからまたあとへ引き返しましょう。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)